既婚者好きになってしまった女子の話。恋愛結婚とは言うものの、パートナーとの恋愛が結婚にゴールするには離婚と再婚がともないます。また、不倫や浮気だと言われても仕方の無い恋愛事情ですから相談する相手もなくデートも隠れながらの日々でした。そんな私が彼と結婚するまでのの顛末。
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既婚者の離婚と再婚…前妻は正義で後妻は悪だという図式

既婚者が離婚と同時に再婚の準備をしている。その再婚相手は私。


既婚者の親御さんにとって、既婚者と私の姿はモラルに欠いた馬鹿者たちとしか言いようがなかったはずです。それでも、親ですから…話を聞いてもらうチャンスは与えられました。つまり、後妻予定の私と親御さんが会ってくれることになったのです。

普通…離婚したとしてもしばらく独り身の状態で身辺を整理しながら何年かした後、いい人ができたからと再婚話が浮上するならともかく。再婚するために離婚して後妻とすぐに会うなんて、親として困惑するのは当たり前の話ですよね。

反対に、こういう問題に直面して困惑しないような両親なら、この先、後妻となっても人間的に関係を築くのが難しい相手かもしれません。
好きになっただけで、親族関係まで乗り越えられるか?不安です。
なので、今回のように私と会うことをいくらかためらってくれた方が安心です。

ところで私の両親は後妻となることについてどういう感情をもっているのかと言うと――私のパパとママにその話をしたら、そう。よかったね。と言ってくれたけどちょっと複雑な顔をしていました。娘が既婚者を好きになって離婚させて他人の家庭を崩壊させてしまった罪悪感があるのでしょうか、もっと喜んでもらえると思ったのに…。

ママは既婚者の家族に私が何を言われるか心配しているようでしたが、私だってそんなにこやかな場になるとは思っていないし、何より直哉さんと一緒なのだから大丈夫だと思っていました。

だって、これを乗り越えないと先に進めないんだもの。

既婚者を好きになって後妻となることは恋愛ごっこではなく本気の恋であることを証明したいと思います。



――そしていよいよ、既婚者の両親にお邪魔する日。おとなしめで上品な感じのワンピを店員さんに勧められるまま買ったのを着て、家を出ました。

そして、家を出るときに向こうに着いたら渡しなさいと、ママから菓子折を渡されました。実は、この日まで、心配心配と言いながら、ママは私の話し方やいろんな作法についてうるさいくらい注意していました。

こういう時はこうしなさい!私って言われた時はちゃんとできるんですけど、それがすぐ忘れちゃったりして…。

だから、家のドアを出た瞬間から、ママの注意を何度も思い起こしていました。迎えに来た既婚者さんの車に乗り、初めて既婚者の実家に向かいます。

彼のおうちは、古い邸宅街にあって、並んでいる家もどれもかなり大きくて素敵なおうちが多いのでびっくりしました。

おうちの前につきました。
改築しただけあって周りのおうちより少し新しい雰囲気。私のおうちも遊びに来たお友達には大きいねぇ〜と言われたことがあるけど、彼のおうちもなかなか…。こんな素敵なおうちなのに、同居を渋って近くとはいえ別のマンションを購入することを押しきった前妻さん…。思っていたよりずっと嫁姑関係ってうまくいってなかったんだな…と思っちゃいました。

ドアホンを押すと、既婚者のお母様が出てきました。初めてお目にかかる好きな人のお母様…。やっぱり好きな人と似てる!
「はじめまして ××マナミと申します。お邪魔します」と言って、家に上がらせていただきました。
お母様は、「はじめまして」と言ってくれましたが、なんか心ここにあらずみたいなあまり感情のない声でした。この若い子が息子を離婚させた女だって感情がにじんだような目をしていました。

リビングに通してもらい、今度はお父様に挨拶。直哉さんと似て長身。うちのパパよりカッコイイかも。でもやっぱり厳しい感じの視線。
そして、もっとも敬遠したい相手…妹さんが出てきました。

しばらくぶりに会った妹さんは、ものすごく怖い顔をしていました。ちなみに直哉さんが前妻と付き合うキッカケには、妹さんの計らいがあったのです。
だから、妹さんとしては前妻との結婚は正義であり、私との再婚は悪だと認識するしかありません。当然、兄を離婚に追いやった小悪魔的な私の存在に肯定的でいられるはずがないのです。

あっという間に立ち上がって私に掴みかからんばかりによく来れたわね!あなたのおかげでお兄ちゃんはどんなつらい思いをしたか知ってるのっ!どの面下げてここに来れたのよっ!などワーワー大声で詰め寄ってきました。

直哉さんや両親が割って入り、妹さんをなだめてくれましたが、もうちょっとでひっぱたかれるんじゃないかと思いました。
その一方で、お母様は自分の娘が、こんなに大声で騒いでいるのに、何も言わずボーっとした感じです。普通注意しません?と思っちゃいました。

リビングの隣の客間の和室に通され、お父様に改めて挨拶をし、お茶を持って入ったきたお母様も加わり、話をすることに……。

今回の離婚の件はやっぱりご両親もひどく心を痛めていて、前妻さんや前妻さんのご両親にも本当に迷惑をかけたと言いました。


前妻さんの気持ちを考えたら、とても簡単にハイ再婚していいですよなどとは言えない。もう一度よく二人で今後のことを考えて、それでも気持ちが変わらなかったら、もう一度話し合いましょう。と言われて、話し合いは終わってしまいました。

結構一方的に言いたいことを言われて、私は相づち代わりに申し訳ありませんを繰り返すだけ。隣のリビングからは、ヤジのように妹さんからのどれだけ前妻さんの気持ちが傷ついたかなどの言葉が飛んできて、居心地が悪くて仕方ありませんでした。

お母様は結局挨拶だけで私とはそれ以外口をきいてくれませんでした。
最初の意気込みはどこかへ飛んで行って、本当の私を見せるどころか、私の一切を拒絶するようなお母様の姿にとっても悲しくなりました。

しかしです…なによりも感じたのは、彼と結婚したらここで暮らすわけです。はたして耐えられるのか? 不安で仕方ありません。私を誰よりも愛してると彼は言うけれど。ここで私との新生活をスタートさせたいとのだと思うと、正直ショックでした。

妹さんからは投げ捨てるようにいろんな話を聞かされました。
「お兄ちゃんが離婚届を出す前に前妻さんがここにきて、いい嫁になれずに申し訳ありませんでしたと頭を下げ、そして私はもう妻ではなくなりますが、お義父様お義母様はユメの大切なおじいちゃまおばあちゃまです。これからもどうぞよろしくお願いしますと言ったこと」
「そして、既婚者さんの再婚の話がもし出たらあまり反対しないでくださいね。私もここまで厳しい条件を突き付けるつもりはなかったけれど、それを呑んででもあの二人は一緒になりたいと思っているんですから…。とも言ったこと」

妹さんにとっては、大人すぎる前妻さんのセリフが、余計に私への憎悪を加速させたかもしれません。「あなたはお兄ちゃんのお嫁にはなれないわ!」
と噛みつかんばかりに言われました。

でも…。もとから前妻さんになろうなんて思っていません。私と前妻さんは違いすぎます。私は私。私が私なりの方法で直哉さんを幸せにすればいいんだから!と思って、平然としていました。

だって、前妻さんやその家族、また既婚者さんの家族からいろいろ言われるのはしょうがないかなと思うんですけど、なんで妹さんに色々ひどいことを言われなきゃいけないんでしょう? 結局自分が紹介した関係が崩れて、自分のメンツがつぶれたことに腹を立てているだけのように感じます。
私は、妹さんにだけは負けない!と心に決めました。


これから結婚したら、付き合いが続くわけです。元嫁さんが正義なら、私は既婚者さんを離婚させた悪?

親族がそういう感情を抱いたとしても、いちいちへこんでいたり、泣いていたりしていては、向こうの思うつぼじゃないですか。

それにしても、前妻さんが既婚者さんの再婚の話を反対しないようになんて言っていたのにはびっくりです。どんな気持ちでその言葉を言ったんでしょうか。複雑ですね。
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