既婚者好きになってしまった女子の話。恋愛結婚とは言うものの、パートナーとの恋愛が結婚にゴールするには離婚と再婚がともないます。また、不倫や浮気だと言われても仕方の無い恋愛事情ですから相談する相手もなくデートも隠れながらの日々でした。そんな私が彼と結婚するまでのの顛末。
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両家顔合わせは沈黙と険悪ムードにあふれ挨拶ではなく対立の場となってしまった

結婚準備のための両家顔合わせは物別れに終わってしまいました。

最後には、あなたたちの結婚式には出席しないとまで発言する直哉さんのお母様。その理由は、心から祝福できる結婚とは思えないから。だから、たとえ夫婦だけで結婚式を挙げるとしても私たちは出席しないという意向。
両家の顔合わせで、こんなことを言われてしまって悔しそうにも悲しそうにも映る横顔で小さくなっているママ。

このとき、私は今まで育ててくれたママに罪悪感を感じていました。
そして、もうママにはしゃべらせまいとフォローに躍起になるパパを感じます。
パパは、なにかもうひとつでもしゃべれば泣いてしまうかもしれないママの気持を察したんでしょう・・・・・・。

長い沈黙を置いてから、パパが直哉さんの両親に話しかけました。
「こんな状態でマナミをそちらのお宅に一緒に住まわせてよろしいのでしょうか?」
直哉さんと結婚してからは義実家に住まう予定である私のことが心配だったんでしょうね。
「どうも私たちからするとご迷惑をかけた娘をそちらのお宅に送り出すのは、心苦しいのですが。失礼な話とは思いますが、経済的にかなり苦しく新居を借りるには難しいとの話を聞き、私たちが持っているマンションの一つを使ったらどうだと話してはいるのですが・・・・・・」

すると、直哉さんのお母様が言い返します。
「せっかくの顔合わせでこんなことを言うのも気が引けますが・・・そんなことご心配いただかなくても結構ですわ。マナミさんがどんな方であれ、私たちは干渉するつもりは全くありません。マナミさんには息子の世話だけをやってくだされば、あとはどんなことをしても別に構いません。息子にも、ちゃんと前妻さんとの約束を果たして、残してきた孫に対してきちんと責任を取るように話してあります。マナミさんもそれはおわかりでしょうし。それにそちらさまにいろいろご厄介になってしまうと、まるで養子出すみたいじゃありませんか? マナミさんはお嫁に来てもらうんですから、それには及びません!」

これは相当、感情のキレたようなキツい物言いだったのです。
瞬間的にママも言い返します。
「ずいぶんな言い方ですわね!?」

このままだと両家の顔合わせが修羅場のようになってしまうことをおそれた直哉さんが仲を取り持ちます。
「申し訳ありません。せっかく心配してくださってのことなのに・・・」

直哉さんの言葉は、この場をお開きにする切っ掛けとなりました。
話し合い終了と同時に、サッと席を立つ直哉さんのご両親。
今回の顔合わせは、直哉さんのご両親の言いたいことだけを伝えるための時間だったような気がします。

残された私たちに直哉さんは、いやな気分にさせてしまい本当に申し訳ありません。と頭をさげ、私にもなんかマナミひとりがいやな思いをいつもして本当にごめんな。と謝りました。また改めてご挨拶に伺います。とまた頭をさげ、出て行ったご両親を追いかけていきました。


相手は既婚者だったけれど自分の恋愛は純粋だった。結果として、相手を離婚に追いやり後妻となるわけだけど、これからの二人の幸せにも自信がある。

もちろん、元嫁さんをおもえば結婚式を挙げることは気が引けるけれど自分の幸せに遠慮するぐらいなら、そもそもこの人と結婚しない方が良いはずなんだ。
そんな気持を支えにささやかだけど素敵な結婚式を夢見ていた私。
ウエディングドレスを身にまとう自分を夢見ながら今日まできた私の青空のような心にはどんよりとした雨雲がさしかかってきたような一日でした。


友達に祝福されての結婚式も、二人だけの新婚生活も、すべて叶わない。

前に直哉さんのお母様が「謙虚に生きなさい」と言っていたけれど、すべて私の望みを捨てることが、謙虚に生きることなのでしょうか?

そんなことをふと思っていると、私のママが半分泣きそうな顔で、マナミの結婚を許したのは間違えじゃなかったの?とパパに聞いています。
だって、マナミが悪いマナミが悪いというけれど、こういうことは相手があってこそでしょ。まるで――さんは何も悪くないみたいな言い方を向こうの親御さんはしてらっしゃるけど、同じことを自分たちの息子だってしてるじゃないの!

マナミは――さんのことが好きで結婚したいんだろうけど、もうママは向こうの親御さんとはお付き合いしたくないわ。
結婚式をしないなら、もう顔を合わせる必要もないでしょ。――さんにもそう言っておいてちょうだい。と私にいうと、パパとタクシーに乗りました。

こんな結末なら、両家の顔合わせなんてやるんじゃなかった。駆け落ち同然で勝手に結婚してしまった方がどれほど気楽だろう・・・
そうして何年かして、幸せになってから互いの顔合わせをした方が良かったのかも・・・。

幸せにはなれない?幸せになれるの?どうなの?
帰り道、誰につぶやくでもなく・・・自問自答を繰り返しながらトボトボと歩いていました。
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