私たちの結婚について、相手がどこまでご両親を説得してくれるか…。
不安がないわけではありませんでした。結婚が行き詰まっていることの不満を感情的に訴えた私に、直哉さんは一ヶ月の間に再婚を両親を説得してみせると言いました。
そうして、一ヶ月間はどうなった?とかどうしてる?とか言わずに、電話や会う時も、普段の話ばかりしていました。かと言って、私たちは本当に結婚できるんだろうかとの不安は強大です。そんな私は、でき婚で体調を崩して入院中のエミに頻回に会っていました。
彼女には悪いですが、こういうときはどこか似たもの同士の友人と会っているだけで気が紛れるものです。また、なかなか退院のめどが立たないことの不安をこぼすエミを励ましたかったし、なにより、やはり他のことを考えている方が気が楽だったからです。
――その一ヶ月が過ぎようとする頃、直哉さんから電話がありました。
「親がもう勝手にしろって言っている・・・」
説得の結果が出たようです。再婚を祝福しないけれど否定もしない・・・
と、そんなところでしょうか。そこまで言うならもう勝手にして良いとの言葉でした。どんなに反対されても、マナミと結婚する意志は変わらない。再婚後、経済的に苦しくなることはマナミも承知の上だし、再婚後の住まいに関しても、新しい住まいを借りるのが大変だから、マナミのお父さんが持っているマンションに住んでもいいと言われているから、そうしたい。と言ったところ、そんなみっともない・・・入り婿じゃあるまいしやめてくれと言いだし、そんなことするくらいならここに住みなさいと言っているそうです。
私としては、パパのマンションで新婚生活を送る方がずっと気持ちが楽なので、その点はため息をつかざるおえませんでしたが、仕方ありませんね…。
ただ、本当の私をわかってほしいとか、直哉さんのご両親となるべくわだかまりをなくしていきたいというところまでは話が及ばず、ただとりあえず入籍をして一緒に住むのは勝手にどうぞって感じで、とりあえず話がまとまったようでした。
「結婚して一緒に住んでからの時間が大切なんだから、ゆっくりとマナミっていう人間を知ってもらった方がいいよ。もし一緒に住む間に問題が起きれば、俺がちゃんとマナミを守っていい方向に行くように頑張るから」と言う直哉さん。
100%望んだ答えは引き出せなかったものの、彼は私と再婚するために親を説得してくれた・・・それが何よりうれしかったです。