既婚者好きになってしまった女子の話。恋愛結婚とは言うものの、パートナーとの恋愛が結婚にゴールするには離婚と再婚がともないます。また、不倫や浮気だと言われても仕方の無い恋愛事情ですから相談する相手もなくデートも隠れながらの日々でした。そんな私が彼と結婚するまでのの顛末。
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既婚者に恋をしてはじめてのクリスマス

既婚者と恋愛して、はじめて迎えるクリスマスを思い出しました。
当時のクリスマスはまだ片思い中の身だったので、既婚者が元嫁さんや子供さんと楽しんでいるはずのクリスマスを思い浮かべながらシンとした心持ちで過ごしたクリスマスでした。


――朝、直哉さんと顔を合わせるのがちょっと恥ずかしかったです。
はじめてのサンタさん上手にできましたか?と聞くと・・・上手も何も、夜泣きがひどくて全然寝てくれなくて大変だった。
「最近は泣き声も大きくなってきて、別の部屋に寝ていても聞こえるよ」とぼやいていました。 それから年末年始の休み、仕事はじめ、そしてまた忙しい毎日。 既婚者の私生活を知れば知るほど嫉妬心に駆られる反面、もっと知りたい、そして破壊してしまいたい、奪略したい。そんな気持ちがふつふつと芽生える自分を感じるころでした。

プライベートでは、女友達と遊んだり、時には合コンに参加してみたり、そこで知り合った人とちょっとデートしてみたりって感じで過ごしていたけど、特に何かあるわけでもなく、平凡な日々が続いていました。

直哉さんとは仕事を通じてかなり信頼関係ができてきたと自分でも思うようになりました。最初の頃は、一つ一つ確認して、教えてもらいながらの仕事だったのが、最近は何をどうして欲しいのかを先読みできるようになってきて、直哉さんが“おっ”って顔をするのがうれしかったです。

春になるにつれ、今まではかなわない想いと半分あきらめていた気持ちが、でも伝えてみないとわからない!という気持ちに変わっていきました。 それが、誰かを嫌な気分にさせるとしても、まずは直哉さんにこの想いを伝えたい。と決めたのです。
24日は平日だったけど、みんな妙に仕事の手が早くって、サッサと帰り支度をしてる人ばかり。 私は結局前日の仲間のパーティーでは、別れた報告会みたいになって、私以上に友達が元カレのことをけなしてけなして、悪酔いしているのを最後には介抱するはめになり、クリスマス気分でもなかったです。

パパやママは、しばらくぶりで娘が家でクリスマスを過ごすということで、変にはしゃいじゃってケーキを予約したり、ツリーを飾っちゃったり(これは別棟で暮らす兄夫婦の子どもたちのためもあるかな?)、ママなんか鳥を1羽買って、ローストチキンを作るわ!なんて朝から張り切ってました。

直哉さんを見ると、やっぱりソワソワした感じ。そりゃそうですよね。パパになって初めてのクリスマス。きっと楽しく幸せいっぱいに過ごすんだろうな。と思うと、また心に寂しい気持ちや奥さんに対しての羨ましい気持が湧いてきてしまいました。

会社の既婚者を好きになった女子なんてこんなもの…直哉さんが帰ってしまえば、私もそれ以上会社にいる必要もないので、帰り支度をして会社を出ました。 一人ぼっちで、かなわぬ恋に振り回されている自分がむなしくて、自宅に戻ってからは、パパやママと思いっきりはしゃいで過ごしました。 

夜、自分の部屋に戻って日付が変わる前、シャンパンに酔った振りをして直哉さんにメールをしてしてしまいました。 相手は既婚者、怒られるかも・・・・・・?
もしも、彼じゃなくて奥様が通知画面を見てしまったらどうする? きっと奥さんに不審がられるかもと思ったけど。 「メリークリスマス 会社で言えなかったので 」 送信ボタンをタップする時少しためらったけど、いざとなったら同僚と間違えたとでもいえばいいやと思った瞬間、指がタップしていました。
恋愛経験の少ない女子が既婚者を好きになってしまうと、大胆不敵な行動もあんがいアッサリとやってのけるのかも?

それからは仕事もそうだけど、週末は忘年会とかで忙しくって毎日があっという間に過ぎてしまいました。 今までがんばっていたんだけど、とうとう年末の一番忙しい時期に、風邪を引いて高熱が出て休んでしまいました。

部屋で、寝ているとスマホにメールが入りました。直哉さんからです。
一応、何かの時にって言うことでメアドを交換していたのですが、毎日顔を合わせているし、特に必要なこともなかったので、初めて直哉さんからのメールに熱が余計に上がりそうになるほどうれしかったです。
「早く元気になって 仕事たまってるよ!」 たったそれだけのメールでしたが、私のことを心配してメールしてくれたんだもの。 早く元気にならなきゃ。 結局2日休んでしまいましたが、出勤したとき見た直哉さんの顔が嬉しいような安心したような顔をしてたのが、おかしかったです。
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