既婚者好きになってしまった女子の話。恋愛結婚とは言うものの、パートナーとの恋愛が結婚にゴールするには離婚と再婚がともないます。また、不倫や浮気だと言われても仕方の無い恋愛事情ですから相談する相手もなくデートも隠れながらの日々でした。そんな私が彼と結婚するまでのの顛末。
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離婚の条件と後妻になる価値

既婚者を好きになってしまった私は相手の奥さんを交えて離婚の条件を提示されてしまいました。

――その後。
直哉さんは機嫌を取るように明るく、これでマナミをちゃんと迎えに行けるようになるよと言いました。

私は結婚できるのはうれしいけど、10年も赤ちゃんが産めないのって…。

私は結婚したらすぐにでも直哉さんの赤ちゃんを産んで早くママになってって考えていたのに。これじゃ…。とうつむくと、直哉さんは、でも10年なんてすぐだよ。その分たくさん二人の思い出を作ってそれで子どもを迎えてあげたっていいじゃないか。
すぐに子供が出来たら、今まで離れていたのに、二人だけの時間が全くなくなっちゃうんだぞ。と言い、こんな条件なんてことないよ。
それ以上に俺はマナミと一緒になって幸せにする約束ができるし、うれしいんだ。

離婚について、これまでどんなに話しても聞く耳を持たなかった妻が離婚に同意するって言ってるんだ。喜んでいいんだよ。

私の背中に手を当てて言いました。

私は急に未来に明るい兆しが見えてきたことと、それに対する不安が一気に押し寄せてきて、喜んでいいものか心が揺れてしまいました。

せっかく外で会えたんだから、場所を変えようかと直哉さんに促され、お店から外へ出ました。

少し肌寒い日でしたが、私たちを置いて一人出て行った奥さんのことを考えると、久しぶりに二人っきりになったことを喜ぶばかりではいられません。
でも考えたら、自分の望むことすべてが叶った結婚生活など送れるはずがないのかもしれません。

私から何かお願いをしてどうにかしてもらえるような立場ではないだろうし、奥さんはたぶんそんなこと一切認めようとは思わないはずです。

直哉さんがすでに私との再婚を決心する一方で、私は考えていました。
私の選択は10年間妊娠しない条件で離婚することを受けて後妻となるか、あるいは、10年後の高齢出産を考えれば自分自身のライフプランとして後妻に価値はあるのか?
つまり、この場に及んで直哉さんと別れ、一人になるか…
もしそうなら、私は直哉さんの家庭をたたき壊した悪女としか言いようがありませんよね……
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