既婚者を好きになってしまって離婚に持ち込み晴れて後妻になれるものの、十年間は妊娠してはいけない約束を取り付けられた私。
今は恋愛感情が勝っているから再婚条件をのめたとしても十年後、妊娠するとしたら高齢出産の身…果たして、私はそのときまで現在の恋愛感情が勝ったままでいられるか?
不安と言えばとても不安です…。
――ある日、エミの彼からメールが来ました。
友人のエミは、でき婚で結婚する予定です。
でき婚の相手である彼はまだ学生だし、彼には手伝えることがあったら何でも言ってと言っておいたので、そのことかな?と思いました。
実は妊娠中のエミの具合が悪くなって入院してしまったのです。
結婚式などの予定は一度キャンセルにすることにして、しばらくは絶対安静なのでお見舞いも無理とのことでした。
私は心配で心配で。すると数日してから、エミ本人からメールがきて、ちょっと具合が悪くなって、ベッドから起き上がるのもいけないと言われているの。
赤ちゃんは元気だけど、いつ退院できるか分からない。
不安だけど、頑張るね…お見舞い来てもよくなったらすぐに連絡するから、来てくれる?と書いてありました。
本人からのメールで、私も少しホッとして、連絡が着たらすぐ行くから、それまで絶対安静で頑張ってね。応援してるよ。と返事をしました。
私が直哉さんの子どもを産むとしたら10年後。
高齢出産となる30歳を過ぎてどういう結婚生活をしているか?今は想像ができません。
短大の頃は、早く好きな人結婚して早く子供を産んで、若くてきれいなお母さんになりたいなんて、友達と話していました。でもきっとそれは叶わないことになってしまいました。
既婚者を好きになって離婚させ、自分と再婚するためです。
愛はさめないもの?ちがう…冷めたころにどんな関係でいられるかが愛ですよね。
だからこそ…いっときの愛情だけで自分の人生に不都合な条件ばかりをつけてしまう〝若さ〟に不安なのです。
その時はそれでいいと思った決断でも、時々心が揺れる時があると思いますから。
直哉さんにそんなことを話したらきっとすごく傷つくと思うので、黙っていましたが…。
エミのでき婚のことに、自分の境遇を照らし合わせながら不安になる気持ち。
結婚は勢いだけでどうにかなるものなのでしょうか?
その答えは自分にしか出せないとわかっているつもり。けれど、それが強がりだともわかっているつもり。
結婚とは二人の問題でもありながら自分の問題でもあるとしみじみ思うのです。